かかりつけ薬剤師
「かかりつけ薬剤師」とは、薬による治療のこと、健康や介護に関することなどに豊富な知識と経験を持ち、患者さんや生活者のニーズに沿った相談に応じることができる薬剤師のことをいいます。 かかりつけ薬剤師は、皆さんご自身が選択するものです。ここでは、かかりつけ薬剤師の機能と利用するメリット、具体的な活用方法についてご紹介します。
頼りになる「かかりつけ薬剤師」
「かかりつけ薬剤師」とは、あなたのお薬の服用記録や体質体調を管理し、適切な調剤を行ってくれる薬剤師のことです。
①薬の専門家が身近にいるから安全・安心に薬を使用できる
ひとりの薬剤師がひとりの患者さんの服薬状況を一カ所の薬局でまとめて管理し、かつ、それを継続して行う機能
薬を安全・安心に使用していただくため、処方薬や市販薬など、あなたが使用している薬の情報を一カ所でまとめて把握し、薬の重複や飲み合わせのほか、薬が効いているか、副作用がないかなどを継続的に確認します。
複数のお薬手帳をお持ちの方には、1冊に集約していただくよう、提案します。
②薬局が開いていない時間にも薬の相談ができ、在宅医療もサポートしてもらえる
24時間対応を行ったり、患者さんの自宅にお伺いし在宅医療を行う機能
休日や夜間など薬局の開局時間外も、電話で薬の使い方や副作用等、お薬に関する相談に応じています。また、必要に応じて夜間や休日も、処方せんに基づいてお薬をお渡しします。外出が難しい高齢者などの患者さんのお家に伺い、お薬のご説明をしたり、残薬(手元に残っている薬)の確認も行います。
③医療チームのサポートを受けられる
処方医や医療機関と連携する機能
処方内容を確認し、必要に応じて医師への問い合わせや提案を行います。患者さんに薬を渡した後も患者さんの状態を見守り、その様子を処方医にフィードバックしたり、残薬の確認を行います。お薬だけでなく、広く健康に関する相談にも応じ、場合によっては医療機関への受診もお勧めすることもあります。また、地域の医療機関とも連携し、チームで患者さんを支えられる関係を日ごろからつくっています。
よくあるご質問(Q&A)
「服薬管理指導料」の代わりに「かかりつけ薬剤師指導料」として、次回から60~100円(3割負担の場合)を追加でお支払いいただくことになります。
出来ます。月内での変更はできませんが、1カ月単位で変更可能です。
基本的に「かかりつけ薬剤師」が対応いたしますが、当日の勤務状況により、他の薬剤師が対応させていただく場合があります。
どちらの薬局でもお選びいただけます。ご自宅や職場に近い薬局で選ぶことで、いつでもすぐに相談できます。
薬剤師の在宅訪問
薬剤師が患者さんのご自宅や高齢者施設を訪問し、地域の在宅医療を支える薬局づくりを目指しています。
チーム医療の一員として、地域医療を支えるさまざまな職種の方々と連携し、地域医療に積極的に取り組んでいます。
患者様の状態に合わせた調剤上の工夫を行うなど、柔軟に対応させていただきます。
お薬の管理、居宅(入居施設)への配送、居宅(入居施設)における薬剤の保管・管理に関する指導を行い、
ADL(移動・排泄・食事などの最低限の日常生活動作)、QOL(生活の質)等に及ぼす使用薬剤の影響確認や、副作用の早期発見、未然防止と適切な処置に努めます。
また、在宅医療機器、用具、材料等の供給や、在宅介護用品、福祉機器等の供給、相談もお受けします。
在宅医療を希望の方は相談をお待ちしております。
薬剤師のサポート
服薬をもっとラクに、もっと安心に!
最近、お薬の飲み忘れや飲み間違い、大きな錠剤が飲みにくいといったお悩みはありませんか?
そんなあなたに、服薬をもっとラクに、もっと安心にするお手伝いをします!
** 一包化で、飲み忘れ・飲み間違いゼロへ!**
一度に飲む薬を、服用時間ごとに小分けにしてお包みする「一包化」サービス。薬の数が多くて管理が大変な方や、飲み忘れ・飲み間違いが心配な方におすすめです。
剤形変更で、飲み込みやすく!
大きな錠剤が苦手な方や、高齢者の方には、粉薬や口の中で溶ける錠剤など、飲み込みやすい剤形への変更も可能です。
ご自宅のお薬を整理します
ご自宅の薬箱に飲み残しの薬はありませんか?
残っている薬の中身や保管状況を確認し、使える薬か不要な薬かを判別し、整理いたします。
残っている薬は、薬局へご持参くださるか、必要に応じてご自宅に訪問して確認することも可能です。
ポリファーマシーへの取り組み
多くの高齢者は、1日に複数の薬を服用することが必要になります。この状況を「ポリファーマシー」と呼びます。複数の薬を同時に服用することで、薬同士の相互作用による予期せぬ副作用や、重複した薬の服用といった問題が発生しやすくなります。
私たちは、皆様が服用しているすべての薬を詳細に把握し、処方を行う医師と密接に連携することで、薬の相互作用や重複を防ぐ取り組みを行っています。これにより、皆様が安全かつ効果的に薬を使用できるよう努めています。
医療安全対策への取り組み(プレアボイド)
プレアボイドとは、予期できる有害事象を未然に防ぐ、あるいは重篤化を防ぐことを意味します。私たちは、患者様から基本情報(性別・年齢、病歴、アレルギー歴、副作用歴など)をお聞きし、過去のお薬や現在飲んでいるお薬の状況を把握することで、適正な処方であるかどうかをチェックします。それによって、副作用の発生、治療効果の低下、経済的損失などの有害事象から患者様を守ります。
残薬の管理
飲み残したお薬の数を確認し、処方医と相談して、処方日数を調整します。
また、なぜ薬が残ったのか、その原因をお聞きし、処方医と連携をとりながら、服用時点ごとに一包におまとめしたり、飲みやすい服用時点に変更してもらったりします。
服薬指導とフォロー
皆様がお薬を有効に、そして安心して安全に使用できるよう、正しい薬の使い方を説明したり、起こる可能性のある副作用を説明したりしています。(服薬指導)
また、お薬をお渡しした後に、必要に応じて、お薬が効いているか、有害な副作用が起こっていないかをお電話などにて確認させていただいています。(フォローアップ)
高度な薬学管理
抗がん剤や麻薬などは、ご自宅で厳重な保管管理が必要であり、薬の飲み方ををしっかり守っていただく必要がある薬です。そのため、処方元の医療機関と連携しお薬をお渡しした後の副作用の状況確認や対応を行っています。
専門的な薬学管理
薬剤師の専門資格の取得を推奨しています。認知症や糖尿病、漢方治療など専門的な服薬指導に対応できる薬剤師の養成を進めています。(主な資格)
- ・研修認定薬剤師(日本薬剤師研修センター)
- ・認知症認定薬剤師